soy-curd's blog

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今日の小説

ぐんまちゃん小説

 ぐんまちゃんがプールに行ったときの話である。ぐんまちゃんは最近水着を作ってもらったばかりだったので、とても良い気分でプールにでかけた。家からずっと水着を着てきていたので、市民プールに足を踏み入れるや否や、シャワーを浴び、じゃぼんとプールに飛び込んだ。もちろんいつもの緑の帽子は、水泳帽になっている。ところが、子どもたちが集まってきたり、女の子たちが写真をとったりしてくるせいで、中々泳ぐことができない。皆、ぐんまちゃんが好きすぎるあまり、ぐんまちゃんの気持ちを、推し量ることができなかったのだ。ぐんまちゃんは少し、ぐったりしてきた。ぐんまちゃんが喋れないことや、表情をほとんど変えることができないこと、手も足もちょっとしか動かせないことも、皆知ってるはずだ。私と一緒にカウンターにかけたぐんまちゃんは、先ほど注文した水割りをくっと仰いだ。まだ店主が焼き鳥を焼いている厨房の奥の、壁の向こうを、そのつぶらな瞳でじっと眺めていた。

ぐんまちゃんの休日

ぐんまちゃんの休日