soy-curd's blog

へぼプログラマーです [https://twitter.com/soycurd1]

今日の小説

ぐんまちゃん小説

 私はぐんまちゃんにこのあいだ会ったのだけれど、近くで見ても、本当にこの赤い丸が口なのか、確信を得ることができなかった。ぐんまちゃんに聞こうとも考えたのだが、ぐんまちゃんは喋ることが許されていないため、答えを得ることができない。仕方がないので、私は、ぐんまちゃんとおでかけすることにした。一緒に時間を過ごすことで、ぐんまちゃんの顔の赤い部分が、鼻などではなく、きちんと口に見える瞬間が訪れると考えたのだった。ぐんまちゃんは虫取りに行きたいようだったので、私は車で三十分の雑木林まで連れて行った。夕方、私はぐんまちゃんに樹の側に立ってもらい、とても明るいライトをぐんまちゃんのおなかに当てた。暗くなるに従い、アオカナブンシロテンハナムグリゴマダラチョウ等が集まってきた。完全に夜になると、暗い森の中で、ぐんまちゃんだけがぼうっと明るくなり、蛍光を発する茸のようになった。お目当てのカブトムシがやってきたころには、ぐんまちゃんも疲れていたのか、目を閉じてすやすやと眠ってしまっていた。

ぐんまちゃんとお散歩

ぐんまちゃんとお散歩