上田岳弘『私の恋人』読んだ
クロマニョン人が転生して現代日本人として生まれ変わってオーストラリア人の女の子といちゃいちゃする話。
このように数十万年規模で物語が進行する小説は、青木淳悟の『四十日と四十夜のメルヘン』に収録されている「クレーターのほとりで」以来な気がする。 どちらも新潮社なので、新潮新人賞とクロマニョン人は親和性が高いのかもしれない。
内容としては若干思弁SFっぽいかんじがして、例えば飛浩隆作品のSF的理詰めの部分を取り除いて観念的な会話だけに終始させたら似たようなかんじになるかもしれない。この小説、前半は読んでいて辛い感があるが、後半オーストラリアから始まる世界一周の旅パートに入ると面白くなってくるので、作者を旅に出せば出すほど小説が純化して良くなっていくかもしれない。将来に期待。
- 作者: 飛 浩隆
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2013/11/15
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログ (1件) を見る
- 作者: 青木淳悟
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/02/26
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 44回
- この商品を含むブログ (87件) を見る
- 作者: 上田岳弘
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2015/06/30
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (2件) を見る