又吉直樹「火花」読んだ
一時間くらい外で時間を潰す必要があったので、コンビニの棚にまだ残っていた文藝春秋を買って、火花を読んだ。 なんというか、『創作を行う上での心構え』を、徹底的に『創作を行う上での心構え』に沿って記述している小説。 普通の創作論は、結局、おもしろい創作物を書くにはこうすれば良い、という文章が書かれているだけで、 (もしかしたらその本を書いた人がベストセラー作家なのかもしれないが)その教本自体が実際におもしろい小説だったりベストセラーの小説だったりするわけではない*1。 「火花」がすごいのはそれを自分で実践してみせているところで、実際に近年稀に見る純文学のベストセラーでもある。
村上龍が「長すぎる」と評しているけれど、もし火花が「おもしろい漫才の作り方」とかいうタイトルの新書とかだったら簡潔にする意義もあって、でも、実際は違う。おもしろさに対する、思考のフレームワークの提示と、そのTry & Error。その二つを両立させるにはこの長さが必要だったのだと思う*2。
とりあえずなにかしらの創作を行いたい人はこの本を読むべき。まじで異常にお得。
(長い文章はこっちに書いた。 http://boonlab.hatenablog.com/entry/2015/08/30/103958 )
- 作者: 又吉直樹
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2015/03/11
- メディア: 単行本
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- 作者: ディーン・R.クーンツ,Dean R. Koontz,大出健
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