上田岳弘『私の恋人』読んだ
クロマニョン人が転生して現代日本人として生まれ変わってオーストラリア人の女の子といちゃいちゃする話。
このように数十万年規模で物語が進行する小説は、青木淳悟の『四十日と四十夜のメルヘン』に収録されている「クレーターのほとりで」以来な気がする。 どちらも新潮社なので、新潮新人賞とクロマニョン人は親和性が高いのかもしれない。
内容としては若干思弁SFっぽいかんじがして、例えば飛浩隆作品のSF的理詰めの部分を取り除いて観念的な会話だけに終始させたら似たようなかんじになるかもしれない。この小説、前半は読んでいて辛い感があるが、後半オーストラリアから始まる世界一周の旅パートに入ると面白くなってくるので、作者を旅に出せば出すほど小説が純化して良くなっていくかもしれない。将来に期待。
- 作者: 飛 浩隆
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2013/11/15
- メディア: Kindle版
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- 作者: 青木淳悟
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/02/26
- メディア: 単行本
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- 作者: 上田岳弘
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2015/06/30
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宮崎夏次系『ホーリータウン』読んだ
宮崎夏次系『ホーリータウン』読んだ。例によってヘリコプターを乗り回すおじいちゃんとかちくわが頭部に生えた女の子とかが出てきてテンションが高めですが、中でも以下のコマ、
妻が家出してしまった我が家でもくもくと自分の作った食事を食べる夫が、あまりの妻への許せなさに焼き魚を箸でぶしゅっとするシーンが非常に高まります。
近作になるに従ってどんどんコマとコマの間の感情の連続性が欠落していってギャグ寄りになっている気がするのですが、果たしてこのまま突っ走っていってどれだけの読者がついてこれるのか非常に心配です。
(『夕方までに帰るよ』は未読なのでそちらでは一般向けになっているのでしょうか...)
- 作者: 宮崎夏次系
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/09/23
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太宰治小説のTF-IDFを計算した
を参考に、太宰治小説のTF-IDFを計算した。以下、値が上位のものから単語だけ30個並べると、
いちど,謂わ,依っ,要ら,つらい,やたら,ご存じ,在っ,先日,おそろしく,だいいち, あがっ,ゆるし,下さっ,おそろしい,落ちつき,青森,あいだ,くるしい,おそく,ちかく, おまえ,ごはん,大笑い,具合い,判ら,ちまい,のこのこ,としの,三鷹,やけくそ,たいてい, れい,だめ,無かっ,ちゃんと,逢う,津軽,あらわれ,繰りかえし,わびし,あれこれ,わかい, うつむい,みじん,いやらしい,わがまま,ふるさと,於い,在る,口調,なんにも,捨て, 無学,ッ,なさっ,だいたい,概念,判る,長兄,生家,安易,素知らぬ,金木,したため,熱狂, あいそ,のろのろ,ごちそう,わるい,芸術,ばん,之,落ちつい,まじめ,ことし,敗北,自重, たのしみ,めいわく,長編,ロマンス,かたち,悪癖,言える,記さ,あからめ,知合い,滅茶, とたんに,あやしい,心掛け,判っ,くさく,高潔,まごつい,侘び,あたらしく,甲府,ひくく, むだ,瞬時,ふっと,酔っ,大 声,きらい,内心,おのれ,ゆえ,ふたり,おめでとう
のようになる。ネガティブな単語が多く含まれていて、非常に満足度が高い。
https://github.com/soy-curd/Dazai/blob/master/doc/flayer.png
ついでに文学フリマ用のビラもできたので、ひと安心。
小説風文章生成アプリ『Bungoo』を少し改造した
今までは小説のデータを取ってくるのに毎回毎回青空文庫からデータを引っ張ってたのだけれど、 さすがにDosアタックしてるような気持ちになったので、PostgreSQLにデータを全部突っ込んでそこからデータ取るようにした。
ついでに、markov chainを作るのにめちゃくちゃ時間がかかっていたので、それもあらかじめ作成してpickle.dumpsしてデータベースに格納した。これで高速化できるはずだったけど、調子に乗って太宰治の小説を200本くらいポスグレにいれたせいで文字列を作るほうで時間かかってしまい差し引きゼロになった。むしろ遅くなったかもしれない。残念。
『ハイパフォーマンスPython 』の著者が未来から来ている件について
11/20にオライリーから『ハイパフォーマンスPython 』という本が出版されるらしいのですが、 著者紹介が本当に気が狂っていたのでご紹介します。
Micha Gorelick(ミヒャ・ゴアリク):Micha Gorelickは、2023年に火星に立った初めての人類で、2046年にタイムトラベルへの貢献でノーベル賞を受賞しました。彼の発明した新しい技術が悲惨な使われ方をしているのを見て、カッとなって、2012年に時間遡行し、気づいたときには、物理学の博士課程を中退し、データへの愛を追い求めていました。
ノーベル章受賞者が書いたオライリー本もなかなか無いと思われるので、ぜひ一度拝見したい。 (なお、内容はCythonとかPyPyとかの話もあるらしいので普通に中身が気になる)
- 作者: Micha Gorelick,Ian Ozsvald,相川愛三
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2015/11/20
- メディア: 大型本
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