今日の小説
「泥炭」「ご本尊」「ネット広告」
近頃、インターネットをしていると、私のブラウザにはウィスキーが表示されることが多くなった。
それも、異常にピートの効いた、アイラしか表示されない。
その画像をクリックすると、翌月には、私のクレジットカードの額がとりかえしのつかない値になっている。
私は恐怖した。このように、世界は私を常に低いところに、低いところに落とそうと画策している。
私はこのような現象を恐れ、救いを探していた。
ルゥに聞いてみると、沼田のほうに、天狗を祀っている社があるという。
私はすぐさまハンドルを握り、google mapにその社の名称を打ち込み、出発した。
google mapは私を細道や農道に何度も誘導したが、私は素直に彼らに従い、走った。
最終的には彼らは私を目的地に連れて行ってくれる。
そして、辿り着いた社にて、私は天狗の姿を探した。
ぐるりと境内を一周したが、なかなか天狗の姿は見つからない。
しかたがないので、私はしぶしぶ社への階段を登り、ごめんくださいと声をかけ、扉をあけた。
中では天狗たちの宴会が催されており、中心には、linuxサーバが祀られていた。
酒でも一杯どうだね、と天狗の一人が私を誘った。