高野秀行『恋するソマリア』読んだ
最近ワールドカップの日本vsセネガル戦について、「どちらの国も納豆を食すから納豆国対決」みたいな謎の切り口で語っていた高野秀行の、『恋するソマリア』を読んだ。 高野秀行はノンフィクション作家で、最近良く読んでいる。文章が軽快なので、頭使わずに読めるので良い。『恋するソマリア』は、つい最近文庫落ちしたみたいなので、 入手して読んでみた。
内容は、内戦状態の国ソマリアで、現地の家庭で料理を習ったり、部族の長みたいなやつと一緒にアフリカ連合軍の武装車両に乗って戦闘地域に行ったりするかんじで、異常に面白い。
『アヘン王国潜入記』でも、アヘン栽培地域でアヘン農家に混ざりながらヤク中になって終わるという異常なオチで、出版可能なギリギリをついてる印象だったけれど、この本もオチが秀逸なのでやばい。 宮内悠介の紛争物とか、西島大介のディエンビエンフーとか、そういう作品群の文脈で語られても良さそうなぐらい紛争地域であるソマリアに肉薄しているのだけれど、文章をほぼ全部ギャグで昇華させているところが、高野秀行しか書けない感を出している。とりあえず、紛争状態の緊迫感と極度の便秘に陥った肛門のギリギリ感をオーバーラップさせる描写力は、完全に神がかっていて、とても良かった。今後も体調を気遣いながら元気に本を出していって欲しい。
- 作者: 高野秀行
- 出版社/メーカー: 集英社
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