soy-curd's blog

へぼプログラマーです [https://twitter.com/soycurd1]

今日の小説

「設備投資」「発意」「後見人」

 後見人のことを、私は今まで一度も尊敬したことがない。 彼女は私のことを、一種の投資としてしか見ておらず、 しかも最近は、減価償却のことを気にかけている始末だ。 そこで私は、彼女を殺してしまうことを思いついた。 これは良いアイディアだ。 私は天狗の一人をけしかけると、彼もこの賭けに乗ってくれることになった。
「いいか、七:三だぞ。これ以上はまけられない。俺だって家族がいるんだからな」
「ああ」私は了承した。
「じゃあ、三日後の午前四時にまた来てくれ」
 私は最後の三日間をどう過ごすが、非常に迷った。 まず今夜は、後見人の大好きな映画のリバイバル上映を見に行った。 十年ほど前に作成されたジブリで、大量の猫が出てくる。 彼女は機嫌良くそれを見ていた。
 どうしたの、今までこんなことなかったじゃない、と彼女は言った。 私は曖昧に返事をして、その場をやり過ごした。
 そのあと私は彼女の家で、共に酒を飲み、風呂の後、ベッドに入った。 明け方まで私たちはセックスしたり話したりしたが、 その中で彼女は、このまま無限に話していられそうね、と笑って言った。 あと五十時間もある、と私は思い、彼女に苦言を呈した。
 それはどうだろうね。

16:01〜16:11