今日の小説
「設備投資」「発意」「後見人」
後見人のことを、私は今まで一度も尊敬したことがない。
彼女は私のことを、一種の投資としてしか見ておらず、
しかも最近は、減価償却のことを気にかけている始末だ。
そこで私は、彼女を殺してしまうことを思いついた。
これは良いアイディアだ。
私は天狗の一人をけしかけると、彼もこの賭けに乗ってくれることになった。
「いいか、七:三だぞ。これ以上はまけられない。俺だって家族がいるんだからな」
「ああ」私は了承した。
「じゃあ、三日後の午前四時にまた来てくれ」
私は最後の三日間をどう過ごすが、非常に迷った。
まず今夜は、後見人の大好きな映画のリバイバル上映を見に行った。
十年ほど前に作成されたジブリで、大量の猫が出てくる。
彼女は機嫌良くそれを見ていた。
どうしたの、今までこんなことなかったじゃない、と彼女は言った。
私は曖昧に返事をして、その場をやり過ごした。
そのあと私は彼女の家で、共に酒を飲み、風呂の後、ベッドに入った。
明け方まで私たちはセックスしたり話したりしたが、
その中で彼女は、このまま無限に話していられそうね、と笑って言った。
あと五十時間もある、と私は思い、彼女に苦言を呈した。
それはどうだろうね。