soy-curd's blog

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藤野可織「爪と目」読了

【良文】

『あなたは、わたしをスナック菓子で手懐けた。』

藤野可織「爪と目」読了しました。

藤野可織の小説は、悪魔が出てきたりとか、なんか怖い鳥が出てきたりとかする小説というイメージだけれど、今回の「爪と目」も、藤野可織のばけものシリーズ第○弾、といったかんじの内容となっています。いつもと違うのは、岡田利規みたいな、視点芸を身に着けているところです。主語と主体が分離した冒頭(読めない)には、非常に期待が高まるかんじがします。

内容は、主人公の女性が再婚相手の子供とお菓子を食べたり部屋の模様替えしたりしながら過ごす日々、というアットホームなものとなっていて、ほんわか系です。表紙とかも、町田久美を使うのなら、もう少し可愛い絵にしても良かったかと思われます。

書かれているのは徹底的に「なにも考えていない人」についてで、人間関係とか、恋愛とか、家庭とか、そういうものに全く興味がない人間が普通の人生を送ることも、意外といけるよね(自分は)、というようなことが延々と描写されていて、非常に好感が持てます。

最後のオチですが、ちゃんとどんでん返し的になっていて、いいと思います。途中で出てきた主人公のお母さんの予言も回収しています。ラストの文章も、良いです。子供勢いあってかわいい。

(帯にはホラーと書かれているけれど、芥川賞ってそんな煽りで良かったのだろうか。)


爪と目

爪と目